追突事故による車の価値の下落。損害と認定されるか?
質問
追突事故の被害に遭い、車を修理することになりました。
修理代のほかに、車の評価損(格落ち)についても「損害」として損害賠償請求できるでしょうか。
弁護士の回答
評価損には2種類あり、
①修理技術上の限界から修理をしてもなお、車の機能、外観が完全に修復しない欠陥が認められる場合
②修理により機能、外観は回復したが事故歴がついたことにより、商品価値の下落が見込まれる場合―に分けられます。
①については、このような評価損が「損害」として認められることにほぼ争いはありません。
問題は②の場合です。
車の機能や外観が修復している以上、「損害」として認める必要がないとして否定する裁判例も多数あります。
しかし中古車市場では、事故歴のある車は事故歴のない車より低い価格で取引されている現実がある以上、この価値の下落についても「損害」として認められるべきであり、このような評価損を認めた裁判例も存在します。
もっとも、どのような場合に評価損が認められるか、また認められるとしてどの程度認められるかは、初年度登録からの年数、走行距離、損傷の部位・程度、人気の車種かどうか等の事情によって異なるものと考えられます。
裁判例では、初年度登録から3年から5年以上経っていたり、走行距離が5万キロを超えていたりすると、評価損を認めてもらうことは難しくなるようです。
評価損が認められるかどうかについては、難しい問題点も多くありますので、困った場合には弁護士に相談することをお勧めします。