広告宣伝に関するご相談(景品表示法など)

企業が営業活動を続けていくとき「広告・宣伝」が不可欠です。

そのようなとき景品表示法に従った方法で広告表現をしないと、行政指導を受けたり、企業名が公表されたり、場合によっては課徴金が発生したりする可能性があります。

 

特に、企業名が公表されたり、高額な課徴金がかせられてしまうと重大な企業リスクとなってしまうので、くれぐれも注意が必要です。また、近年は美容・エステ業界に対しても、依然と比較すると相当に厳しく規制がなされるようになっており、注意が必要です。

また、企業によっては、広告代理店に広告宣伝表現をまかせている場合もありますが、広告代理店が規制に違反して、知らずに違法な広告をしてしまうことで、企業が処分を受けてしまうケースもあります。
 

広告代理店側からすると、知らずに違法な広告をしてしまい、依頼主である企業様に重大な損害を与えてしまうというリスクがあります。
 今回は、景品表示法が規制している内容や事例、違反した場合の処分など、企業運営に不可欠の知識をご紹介します。

1.景品表示法とは

景品表示法は、不当な景品類や、商品・サービスなどの広告表示方法を規制する法律です。正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」です。
具体的には「過大な景品類」や「消費者を誤解させるような広告表示」を禁じています。

景品表示法の目的は、消費者保護にあります。

実際よりも商品やサービスが良いものと見せかけられたり、過大な景品がつけられたりすると、そういった表示や景品に惑わされて、消費者が質の悪い商品やサービスを購入してしまう可能性があります。

そこで、景品表示法が景品や広告表示にルールを設けて消費者の利益が害されることを防いでいるのです。

2.広告表示の規制

景品表示法には景品の規制と表示の規制が定められています。まずは表示の規制からみていきましょう。

景品表示法にもとづく表示規制には「優良誤認表示」と「有利誤認表示」があります。

2-1.優良誤認表示

優良誤認表示とは、実際よりも商品やサービスが上質なものであると見せかける表示です。
具体的には、以下の3種類に分けられます。

 

品質などが実際よりも著しく優良であるとする表示

たとえば原材料や純度、鮮度、添加物の有無や内容、性能や効果などについての表示が実際よりも著しく優れているような表示をすると、優良誤認表示となります。

 

 同業他社より著しく優良であるとする表示

実際には他社より優れているかどうか明らかではないのに、他社と比較して著しく優良であると表示すると、優良誤認表示となります。

 

 不実証広告

消費者庁が事業者に対し、合理的な表示の根拠資料を提出するように求めたとき、資料を提出できなかった場合や合理的な根拠を証明できない場合に「不実証広告」とされて行政処分の対象になります。

 

2-2.有利誤認表示

 

有利誤認表示とは、商品やサービスなどの取引条件を実際より有利に見せかけて、消費者を誤解させるような表示内容です。

有利誤認表示は、価格に関する表示とその他の取引条件に関する表示に分けられます。

価格」に関する有利誤認表示となるケースは、たとえば販売価格をわかりにくくしたり、その価格が適用される条件や範囲を不明確にしたりする場合です。

「その他の取引条件」とは、たとえばアフターサービスや保証などについての内容です。
また、「二重価格表示」が問題となる事例も多いです。

二重価格表示とは、異なる2つの価格を表示することにより、提示されている価格を有利に見せかける価格表示方法です。

たとえば、以下のような場合、二重価格表示の規制にかかる可能性があります。

 「平常価格」と「期間限定価格」を表示している場合
 「タイムセール価格」と「普段の価格」を表示している場合
 将来適用される価格と現在の価格を表示している場合(値上がり予定など)
 メーカーによる「希望小売価格」を対照価格として表示している場合
 競業他社の販売価格を比較対照として価格表示している場合
 他の顧客へ販売するときの価格を比較として価格表示している場合

 

2-3.その他誤認されるおそれのある表示

景品表示法では、優良誤認表示、有利誤認表示にならない場合でも「内閣総理大臣が指定する」一定の表示を禁止しています。
たとえば、無果汁の清涼飲料水の表示や、商品の原産国についての不当表示、不動産のおとり広告や有料老人ホームについての不当な表示などが規制対象となっています。

 

3.景品に対する規制内容

次に、「景品」に対する規制内容も確認しておきましょう。

3-1.一般懸賞の場合

景品には限度額がもうけられています。
一般的な景品・懸賞をつける「一般懸賞」の場合、販売価格が5000円未満であれば取引価格の20倍の価格が限度となり、5000円以上の商品やサービスあれば10万円が限度とされています。

また、景品に対する総額の規制もあり「売上額の2%」が限度となっています。

 

3-2.共同懸賞の場合

複数の事業主が主体となって共同で懸賞を実施するケースがあります。たとえば、商店街や地域振興などで懸賞つき販売を行う場合などです。
こういった共同懸賞の場合には、取引価格にかかわらず、一律で30万円が限度とされています。また、総額に対する規制としては、売上額の3%までが限度です。

 

3-3.総付景品に対する規制

あらゆる商品やサービスに景品をつける場合を「総付景品」と言います。たとえば、来店した人に漏れなく粗品を渡す場合などです。

この場合、取引価格が1000円未満なら景品類の最高額が200円となり、取引価格が1000円以上になる場合には景品類の価格の限度額は取引価格の10分の2となります。

 

4.景品表示法に違反した場合の効果

もしも景品表示法に違反して不当広告を出したり景品を配ってしまったりすると、どのような問題があるのでしょうか?

 

4-1.措置命令

景品表示法違反の行為が疑われると、消費者庁は、事業者に事情聴取を行ったり資料を収集したりして調査を開始します。該当企業に対しては、広告内容の根拠となる資料の提出や説明を求めます。

その結果、景品表示法に違反している行為が行われていると判断すると、消費者庁は事業者に対し、必要に応じて「措置命令」を下します。

措置命令の内容は、消費者に対して違反した事実を周知することや、再発防止策をとること、違反行為を繰り返さないことなどです。

企業が措置命令を受けると、その情報は消費者庁によって発表されるので、世間に広く知られることになります。
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/index.html#public_information

 

4-2.課徴金納付命令

優良誤認表示や有利誤認表示を行った場合には「課徴金」が課されます。
課徴金の金額は、課徴金の対象となる不当な広告表示をしていた期間における「売上額の3%」です。
ただしその金額が150万円未満の場合、課徴金は課されません。

また、事業者が表示の根拠となる資料や情報を確認しており、必要な注意を払っていた場合には、課徴金が課されないことがありますし、自主申告したり自首返金したりすると、課徴金が減免される可能性があります。

 

4-3.罰則

事業者が措置命令違反をすると、罰則が適用される可能性もあります。法定刑は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
法人の代表者や従業員が違反行為をした場合には、法人も罰金刑の対象となります。その場合の刑罰は、3億円以下の罰金刑です。

 

まとめ

企業が健全に運営をしていくためには、景品表示法による規制内容を知り、適切な方法で広告表示を行うことが必要です。

自社の広告方法が適切かどうか自信がない場合には、法律の専門家である弁護士までご相談下さい。

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